Saya mau pergi ke TPA (2008)
アジアの一大リゾート地のバリ島で、観光客に知られることのないTPA(テペア)と呼ばれる東南アジア特有の広大なゴミ山に、天と地、2方向から赴くプロジェクト。チャーターした観光用ヘリには美しい海を周遊してきたエリイが、地上にはゴミ収集車をヒッチハイクしてきた水野がいる。両者は上空と地上で出会い、しばしの再会を手を振って楽しんだあと、エリイは1枚のビニール袋をゴミ山に投げ捨てた。ゴミ拾いの人たちは、広大なゴミ山からビニール袋を選り分け、それを売ることで生活費を稼いでいる。ヘリが去ったあと、水野は、1週間ほど仕事をともにしてきた彼らと、エリイが落としたビニール袋を回収、さらにインスタレーションの素材として大量のゴミを彼らから購入した。Chim↑Pom内の格差を国際サイズへと大袈裟にスケールアップさせたこのプロジェクトは、観光地を利用する先進国の人々の姿をゴミに転化した立体作品と、リゾート地の実状を捉えた映像作品として発表された。