グローバルアートプロジェクト「Can You Hear Me?」はアメリカ、メキシコ、マレーシアで投石のパフォーマンスを同時多発的に実行した。この「ローン・ウルフ（一匹狼）」型の行為のシンプルさが諸外国にいるさらなるアーティストたちに共鳴を促し、彼女／彼らが集まってくる現象を可能にする。いたってシンプルな行為だが、それが生み出すアーティスト同士の緩やかなネットワークは国境をまたぎ、結果として大きな運動が現れてくるだろう。

たとえそれが場当たり的なメンバーであってもSNSさえあれば、太平洋の向こう側とこちら側で同時に投石することは可能である。あくまでアーティストたちの自発的な結集によって成立するCan You Hear Me?は、分散型のネットワーク、メンバーが移ろうアメーバのようなコレクティブなのだ。参加アーティストが増えれば増えるほど、展覧会場でパフォーマンスの映像が映し出されるモニターの数は増え、そこに出力される空の色は滑らかなグラデーションを帯びていく。