リノカット(和紙、油性インク)
15 x 23 cm (image size)
「ダム底の自在」
ダムの底に沈んだ村を調査する潜水夫。
彼が見たものは、水底の農家に集合する魚型の自在鉤たちの姿だった。
かつて村民が集っていた囲炉裏端には自由を得た木の魚が泳いでいる。
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2023.4.27)※4~7月はシリーズ
「月のステージへ」
哀れ潜水夫は巨大な鯉の形をした自在鉤に喰われてしまった!
軍隊の指示によって救出され「次のステージへ!」と月面調査隊に入隊させられた潜水夫の運命はいかに?
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2023.5.25)※4~7月はシリーズ
「招かれざる者」
宇宙服の男たちと月面探査車に乗り、月での活動が始まった。
突如現れた地球人は月の先住民にとって恐怖の侵略者にすぎない。ウサギ民たちは臨戦態勢で待機する。
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2023.6.29)※4~7月はシリーズ
「進出と銃後」
杵と臼で抵抗するウサギ民は自走砲の攻撃によって玉砕された。
地球に残された妻と子は、お父さんの活躍を望遠鏡で見物し、開発の第一歩が成功したことに歓喜している。
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2023.7.27)※4~7月はシリーズ
「寒冷期通行止め」
活動期に入った火山が吐き出す噴煙で太陽光が届かなくなった地上。
気候変動により冷気に包まれた世界は、一斉に冬季休暇に突入した。
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2023.8.31)※8~12月はシリーズ
「氷の博物館」
就職氷河期の出来事は永久に氷に閉じ込められ、過去の遺物として博物館に展示されている。
背筋を伸ばした新卒者が不採用の通達で縮こまっていく様は人類の進化を逆行するかのようだ。
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2023.9.28)※8~12月はシリーズ
「ジークフリートと凍土の怪物」
文明の利器・火炎放射器を手にいれた勇者ジークフリートが永久凍土に立ち向かう。お目当ては凍土の怪物が守る秘宝だ。ドロドロと溶け落ちるモンスターの口からお宝ゲット!
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2023.10.26)※8~12月はシリーズ
「博士とハンター」
宝を現金に替えるためにジークフリートは博士の研究室を訪れた。トレジャーハンターの戦利品に期待を寄せる博士たち。氷河期に封印された宝の秘密とは?
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2023.11.30)※8~12月はシリーズ
「アケマシテ・・・」
いよいよ宝箱の封印が解かれた!世紀の新発見に沸く科学者の眼前に飛び出した未知の物体…それは数万年の眠りから覚めた病原体・ウィルスたちだった。
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2023.12.28)※8~12月はシリーズ
「ウソのパーティー」
パーティー券の枚数だけお客様が来るわけではない。お酒も本当にあるわけではない。実体の無い何者か(一枚2万円の亡霊)が集うウソのパーティー。
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2024.1.25)※1~3月はシリーズ
「ティー・パーティー」
ボストン茶会事件、ティーパーティー運動…。古今東西におけるパワーゲームのキナ臭さとは裏腹に、優雅な茶会は続く。卓上にはボードゲームの駒のように軍備のおもてなしが用意されている。
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2024.2.29)※1~3月はシリーズ
「PUBパーティー」
東西双方のパイントグラスには「愛国者」のロゴが書かれている。着火をほのめかすプロパガンダへの苛立ちで、ペンタゴン型の灰皿の中は吸い殻でいっぱいだ。
(朝日新聞朝刊『論壇時評』挿絵、2024.3.28)※1~3月はシリーズ