獲物は狩人になる夢を見る (2016)
木版画( パネル、和紙、墨)、91.3 x 121 cm
復讐への願望を妄想に、暴力へのはかない憧れと甘いロマンが広がる。
水晶の夜 (2016)
木版画( パネル、和紙、墨)、121 x 91.3 cm
尾崎豊の「卒業」よろしくバットを振り回そうと、それは不毛な闘争だ。
水晶の夜が明けた朝のユダヤ人街に散乱するガラス片に正当性は無い。
登/下 (2016)
木版画(パネル、和紙、油性インク)、85.5 x 60.5 cm
上履きにはきかえ校舎の敷居をまたぐ。
その行動ひとつだけでも気が重い。下駄箱という憂鬱な関所。
幽霊 (2016)
木版画(パネ ル、和紙、油 性インク 、 墨、 ポスターカラー)、各85.5 x 60.5 cm
中一の時の私のあだ名。「幽霊のくせに学校に来るな」と下駄箱前でよく言われた。青白い顔で遅刻と早退をくりかえすそのトリッキーな登下校スタイルはまさに幽霊。
バリケード (2016)
アクリル板にマーカー、34.5 x 47 cm
シンプルで機能性の高い学級机はバリケードの造成にも向いている。
男の機械化 (2016)
木版画(パネル、和紙、墨)、60.5 x 85.5 cm
定時制高校時代、放課後(夜9時)に他校の生徒(ヤンキー)が、たった一人で白いベンツ(旧車)で 乗り込んで来た。ベンツというマシンが彼に勇力(はったり)を与えた。
スクール・ウォーズマン(卒業)(2014)
木版画( パネル、和紙、墨)、80.3 x 60.6 cm
「番長」とは70年代日本の高校の不良グループのリーダーのことで、スクール ・ ウォーズマンは、その番長をイメージしたキャラクターです。表立った秩序である校則を破りながら、裏では暴力の秩序を築き、そして不良でありながら人情家であったりというのが漫画の中で描かれる「番長」の特徴です。スクール ・ ウォーズマンは、その二面性のある特徴をもった超人で、善と悪、秩序と無秩序を内包した原始の神のような存在です。
尾崎豊というミュージシャンの80年代のヒット曲「卒業」に、学校を支配者とみなして、夜中に校舎中の窓ガラスを割る事でその支配から卒業するという歌詞があります。今でも日本の若者の学校に対する反抗 心の表現として「窓ガラス割り」は存在します。「割られて困るガラスなら、いっそ無い方がいいだろう。」というスクール ・ ウォーズマンの親切心が、この「窓ガラス割り」です。
スクール・ウォーズマン(生死)(2014)
木版画( パネル、和紙、墨)、80.3 x 60.6 cm
日本の学校でのイジメの一つに、「死ね」や「死」と机に書く嫌がらせ行為があります。(生死)ではスクール ・ ウォーズマンが 「死」の隣に「 生」と書いて「生死」という熟語に変化させて一つのメッセージを送っています。
「電撃!!ラッダイト学園」 (2016)