加藤翼
加藤翼のパフォーマンス、構造体、ビデオといった複層的なメディア・プロジェクト。そこに見られる一貫した特徴は共同実践である。なかでも代表的な作品シリーズ「Pull and Raise」の実践においては(ロープで巨大な構造体を動かす行為への)自発的な参加を周囲の者に委ねている。
公共空間にパフォーマティブなプロジェクトを持ち込む一方で、韓国/日本間の無人島を舞台とした作品「言葉が通じない」のように他者との境界線に触れる活動も展開し、2011年震災後の福島でのプロジェクト以降、そのスタイルは現代社会への風刺性をより増すこととなった。ーーお互いに縛られた四人の白人男性がアメリカ国歌を演奏する「Woodstock 2017」。立ち退きに直面した難民コミュニティが家のような構造体を引っぱり倒す「Break it Before it's Broken」。
加藤のこうしたプロジェクトの実践とそれらが織りなすインスタレーション空間は、見る者に私たちが抱える距離について改めて見つめ直すよう問いかける。
Works
CV
1984 埼玉県生まれ 東京都在住
2007 武蔵野美術大学 造形学部 油絵学科 卒業
2010 東京藝術大学 大学院美術研究科絵画専攻油画 修了
2015-17 ワシントン大学 建築科 客員研究員
文化庁 新進芸術家海外研修員
日米友好基金 日米芸術家交換計画派遣芸術家
主な個展
- 2021
- “縄張りと島”
- 東京オペラシティ アートギャラリー,
- 東京
- 2020
- “Superstring Secrets”
- 無人島プロダクション,
- 東京
- 2018
- “40,000kmのなかの数メートル 【Vietnam ⇅ United States】”
- 無人島プロダクション,
- 東京
- 2017
- “40,000kmのなかの数メートル 【Mexico City ⇄ Jakarta】”
- 無人島プロダクション,
- 東京
- 2015
- “リーチアウト”
- 無人島プロダクション,
- 東京
主なグループ展
- 2022
- “国立国際美術館コレクション 現代アートの100年”
- 広島県立美術館,
- 広島
- “The Brilliant Days”
- 旧蔚山教育訓練講堂および講義棟、 大王岩公園,
- 蔚山、韓国
- 2021
- “Scratching the Surface”
- ハンブルガー・バーンホフ現代美術,
- ベルリン, ドイツ
- 2020
- “They Do Not Understand Each Other”
- 大館當代美術館,
- 香港
- “BECOMING A COLLECTIVE BODY”
- イタリア国立21世紀美術館(MAXXI),
- ローマ, イタリア
- 2019
- “Co/Inspiration in Catastrophes”
- 台北当代芸術館,
- 台北, 台湾
- “高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.08/社会を解剖する”
- 高松市美術館,
- 香川
- “あいちトリエンナーレ2019 情の時代”
- 愛知芸術文化センター,
- 愛知
- “世界を開くのは誰だ?”
- 豊田市美術館,
- 愛知
- “21st DOMANI: 明日展”
- 国立新美術館,
- 東京
- 2018
- “カタストロフと美術のちから”
- 森美術館,
- 東京
- 2017
- “歴史を体で書く”
- 国立現代美術館,
- クァチョン, 韓国
- “Condition Report: The Mashup Syndicate”
- グダン・サリナ・エコシステム,
- ジャカルタ, インドネシア
- 2016
- “Uprisings”
- ジュ・ド・ポーム国立美術館,
- パリ, フランス
- “蜘蛛の糸”
- 豊田市美術館,
- 愛知
- 2015
- “他人の時間”
- 国立国際美術館,
- 大阪
パブリックコレクション
- 森美術館,
- 日本
- 国立国際美術館,
- 日本
- 豊田市美術館,
- 日本
- 愛知県美術館,
- 日本
- 東京国立近代美術館,
- 日本
- 蔚山美術館,
- 韓国
- 高松市美術館,
- 日本
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